4.弊社標準乾燥機の説明①(通気式箱型乾燥機)
弊社の乾燥機の標準としているものは大きく別けてA型、B型、C型、D型、E型、F型の6種類です。
4-1.通気式箱型乾燥機
底網式のトレイに入れた粉体の間を直接熱風が通過して乾燥させる方式です。平行流よりも乾燥速度が速いというメリットがあります。しかし、投入出来る粉体の密度が下がるため、平行流よりも乾燥機が大きくなります。
通気式乾燥機の場合、粉体内を通過する熱風の速度は、粉体のもつ通気性で非常に異なります。通常、医薬品の粉体の場合、0.4m/s程度で、それ以上の風速は、粉体が風により押さえつけられ、風が通りにくくなり、圧損が上がるだけのようです。また、トレイに積む品物の厚みは40mm程度で、厚くなると圧損が上がり通過風速が下がるため、乾燥時間が長くなり、乾燥むらが生じやすくなります。
通気乾燥操作としてまず水や有機溶媒を含んだ粉体をトレイ上の布の上に広げます。このとき出来るだけ厚みを均一にして広げることが必要で、また、各トレイに入れる量も均一になっていることも必要です。もし、ある部分だけ厚みが薄い場合、風はそこを選択的に通り抜けて、他の部分に風が流れないということになり、流れなかった部分が乾燥されないということになります。
また、乾燥速度を上げるために、通過風速を上げても、粉がしまって、ますます風が通らなくなってしまいます。その状態で乾燥が進むと、ある部分ではせんべい状態になり、ある部分では割れが生じるというようなことになります。割れた部分から選択的に風が流れ、塊になった部分の中心に未乾燥部分が生じることもあります。
上記のことから、乾燥操作のポイントとして、粉体の厚みを均一に広げる、各トレイに入れる粉体の量も均一にする、通過風速を上げすぎないということになります。

通気式箱型乾燥機A型
通気式乾燥機でファンが天井にあるタイプです。風は乾燥室の手前からから後ろに抜けます。箱の形状としては、奥行に長く、幅を取りません。処理量が200L以上の大型機に適用されます。台車式も製作可能です。
主な型式:200A,300A,400A,500A,600A,800A

通気式箱型乾燥機B型
通気式でファンが機械の側面上部にあり風が横方向に循環します。箱の形状は奥行を短く作れるます。並行流のD型と同じような使い勝手となります。また、ファンが横にあるのでオープン型にすることも可能です。主に医薬向けで処理量が200L以上400Lまでの大型機に適用されます。台車式にする場合、台車をシールするために特殊な装置を設置します。
主な型式:200B,250B,400B

通気式箱型乾燥機C型
小型の通気式でファンが機械の側面下部にあります。導風板が取りはずせるので並行流としても使用可能です。また、扉を開けると機械内部が完全に洗浄可能となるフルオープン型も標準化しました。
主な型式:10C,30C,50C,100C

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